若い人たちは結婚して家族を形成してはじめて住宅政策の対象となった。住宅金融公庫は長期にわたって単身者を融資対象から外した。金融公庫が単身者に対する融資を開始したのは一九八〇年代になってからである。公団住宅は単身者向け住宅を含んでいるが、その大半は家族向けである。公営住宅の制度は単身者に入居資格を与えなかった。高齢者などの単身者は一九八〇年から入居を認められた。若年と中高年の単身者は依然として公営住宅に入居する資格をもっていない。
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また、政府は税制上の手法などを用い、企業福祉の一環としての住宅供給を促進した。大企業の住宅制度は社員に独身寮・社宅、家賃補助、持家取得融資などを供給する。中小企業では企業福祉の水準は低い。企業の住宅制度は標準的なライフコースを前提とする。独身寮は主に男性社員に提供される。女性社員は自宅から通勤し、結婚・出産によって退職するという想定がある。社宅の入居資格は家族をもつ社員に与えられる。多くの社員は社宅から持家取得に移行し、住宅購入時に企業の融資を利用する。